メーカーや量販店店員に惑わされない掃除機の選び方
生活家電商品の屋台骨と言えば、掃除機ですね。恐らく家電製品の中でもお客様満足度は低い商品じゃないでしょうか。製品が悪いという話ではなく、お客様が製品に求めるイメージ、実機能が幅広いというのが一点、もう一点は、全ての製品を実際に試せる電器屋さんは少ないという事です。実際試してみないとわからない事が多いにも拘らず、カタログとトークで売られる事が多い掃除機は、購入する際に難易度が高い商品だと思います。
皆様ご存知かと思いますが、家庭用掃除機は、集塵方式で2つ、電源方式で2つ、本体形状で2つに分けられます。集塵方法は紙パック式とサイクロン式(紙パック無し)の2種類です。電源はコードレスと、コード有りの2種類ですね。本体形状はお馴染みのキャニスター方(本体からホースが伸びるタイプ)と一体型の2種類です。ちょっと整理してみましょう。
・紙パック・コードレス・キャニスター型(無し)
・紙パック・コードレス・一体型
・紙パック・コード有り・キャニスター型
・紙パック・コード有り・一体型
・サイクロン・コードレス・キャニスター型(無し)
・サイクロン・コードレス・一体型
・サイクロン・コード有り・キャニスター型
・サイクロン・コード有り・一体型
一応、分類すると8種類に分かれるのですが、キャニスター型のコードレス掃除機は今は存在しないはずですので、6種類になりますね。記憶が確かであればキャニスター型のコードレス掃除機は過去に東芝が製造していたと思いますが、実際使用時間が5分前後と、掃除機として致命的な欠陥があったように思います。
紙パック式は文字通り、紙パックを使用します。排気の事を考慮すると出来れば純正がいいですね。下記のメリット・デメリットは「あくまでも店員のセールストーク的な主観です。」のでご注意下さい。
【メリット】
・ゴミが溜まったら紙パックを交換するだけで良い。
【デメリット】
・紙パックにゴミが溜まってくると、吸引力が落ちてくる。
・紙パックにゴミが溜まってくると、排気が汚れてくる。
・紙パック代が掛かる。
こんなところでしょうか。店頭で店員がサイクロン式掃除機を売りたい場合は、上記のデメリットを徹底的に突いてきて、サイクロンに傾けていくでしょうね。
日本では紙パックを使用しない掃除機の事をサイクロン式と呼びます。実際にはサイクロン構造じゃない掃除機もサイクロン式と呼びます。詳しくは後述しますので、そちらを参考にして下さい。下記のメリット・デメリットは「あくまでも店員のセールストーク的な主観です。」のでご注意下さい。
【メリット】
・ゴミが溜まったらダストボックスのゴミを捨てるだけで良い。
・排気がキレイ。
【デメリット】
・ダストボックス内のフィルターの掃除が必要。
・上記フィルターが目詰まりしてると吸引力が著しく落ちる。
・上記フィルターが目詰まりしてると排気が汚い。
デメリットを丁寧に説明する店員は余りいないかもしれません。
サイクロン式とは文字通り、竜巻のような気流をダストカップ内で起こすことにより、ゴミと空気を遠心分離する方式です。有名なダイソンさんが考えた掃除機ですね。竜巻の中をぐるぐる回る事によってゴミと空気に分ける事が出来るので、排気がキレイなのです。
最初に日本のメーカーでサイクロン式掃除機を作ったのは、シャープです。
EC-AC1という型式のこちらの商品が最初のサイクロンだったはずです。手元にダストカップがある為に、意外と重く使い辛く、更にカーテンやエアコンのような高い場所を掃除しようとすると、カップごと上に上げるのでゴミが逆流してフィルターの目詰まりを促進するような代物でした。そんな商品でしたが、毎年毎年改良を加え、シャープは日本で唯一のサイクロン式掃除機を製造していたメーカーです。
他のメーカーは違うのかって?そうです。違いますね。厳密には「ちょっとだけ旋回させてフィルターでキャッチする」掃除機です。空気清浄機のように、吸い込んだゴミ混じりの空気をフィルターを使ってきれいにする方式です。こういう構造なので、フィルターを掃除しないとなりません。フィルターを掃除しないと、吸引力は悪く、排気も汚い掃除機に成り下がってしまいます。掃除機を掃除しないとならない日本のサイクロン掃除機の誕生です。
そこでメーカーも考えました。何とかフィルターを掃除しないで済まないかと、掃除を軽減出来ないかと。そこでコードを巻き取るときにフィルターを掃除するとか掃除が終わって電源を切った時にフィルターを掃除するロボットを搭載するとか、本末転倒な商品が数多く生まれてきた訳ですね。正直言って努力する方向が違うと思います。
結論として、サイクロン式ならダイソン一択ですね。他メーカーのように掃除機を掃除しないとならない掃除機なんて根本的におかしいと思いますよ、個人的には。ただ、ダイソンにも全く欠点が無いわけではありません。
ダイソンの掃除機は凄くいいですね。どれが欲しいって言われたらダイソンが欲しい、高いけど(笑)と答えてしまうかもしれません。日本では吸引仕事率と呼ばれる非常に怪しげな数値で吸引力を宣伝してますが、ダイソンは吸引仕事率の数値は低いです。日本のメーカーの半分くらいじゃないですかね。でも、吸います。ガンガン吸い込みます。絨毯の上を土足で生活している国で生まれた掃除機です。吸い込みが悪いわけがありません。ただ、絨毯生活の国の掃除機ですので、ホイールやヘッド部のクッション性は日本のメーカーのように気を使ってません。日本のメーカーはフローリングや床、絨毯を想定して製造している思われます。角部や地面につく部品には比較的やわらかい部品を使ってますね。
紙パック式掃除機って時代遅れの感がありますよね。でも違いますよ。使い方を考えれば素晴らしい掃除機です。まず、紙パック式のデメリットで挙げた
・紙パックにゴミが溜まってくると、吸引力が落ちてくる。
・紙パックにゴミが溜まってくると、排気が汚れてくる。
・紙パック代が掛かる。
ですが、紙パック式掃除機をお使いの方って、中身がパンパンになるまで紙パックを使いますよね。これじゃ駄目です。ゴミがフィルターのようになってしまうから吸引力は落ちて、排気が汚れてくるのです。出来れば半分くらいで交換すると、非常に快適に使用できますよ!あと、紙パックですが、各社共通の汎用パックはやめたほうがいいですね。あれはまさに紙パックですが、メーカー純正の紙パックは、中にフィルター装備で排気を多少キレイにしてくれます。若干値が張りますが、出来ればメーカー純正をおすすめしたいですね。
結局どの掃除機がいいのかと言いますと、私は断言できる立場にありませんので参考程度に聞いて頂くとして、
結構高くてもいい→ダイソン
掃除機をいつも掃除する自信がある→日本の各メーカーのサイクロン
普通に使いたい→紙パック式掃除機
絨毯がある→上記条件+パワーブラシ型掃除機
コードレスの話は、また今度で!宜しくお願いいたします。