エディオンから上新電機に転職した男を不正競争防止法違反(営業秘密の不正取得)で逮捕のニュースを見て。
昨夜、こんなニュースが飛び込んできましたね。
【大阪】 エディオンから上新電機へ。不正競争防止法違反(営業秘密の不正取得)容疑でエディオン元幹部社員の笹沢淳容疑者(52)を逮捕。 : みんなの懲戒速報
不正競争防止法とは文字通り「公正な競争が行われる」為に整備された法律であり、主に4つの項目から成り立ちます。
営業秘密の保護
こちらが今回の上新電機事件でも適用されました。同業他社への転職、引き抜きは日常茶飯事のように思いますが、このような法律で規制されておりますので、「経営情報」や「顧客情報」も場合によっては持ち出すと処罰の対象になりますので転職時には注意が必要ですね。
要点は「アクセス制限」があるかどうかでしょうか。社内でも特定の人間しかその情報に触れることが出来ない状況であれば営業秘密の侵害にあたる可能性も高くなりそうですね。
信用の保護
こちらの要項に抵触した案件としては、「白い恋人」対「面白い恋人」事件が記憶に残りますね。周知の他人の商品・営業表示と著しく類似する名称、デザイン、ロゴマーク等の使用を禁止する項となります。我が北海道を代表するお土産として人気を博している石屋製菓の白い恋人に似せて作った吉本興業のパロディ商品、面白い恋人を商標権の侵害、不正競争防止法違反で争った事件です。
結果として、面白い恋人がパッケージを変更することで和解が成立して今も面白い恋人は販売されているようですね。大人気ないなという見方もあれば、企業として当然という見方もあり中々興味深い事件だったと思います。
道民からしてみれば、ネーミング的に「黒い恋人」はどうなんだと思わなくもないですが(笑)。
他にはAPPLEのiMacに似すぎているソーテックのe-oneが訴えられた件もありましたね。こちらは東京地裁からe-oneの製造、販売等の差止め認める仮処分の決定を下されてます。その後ソーテックは色を変更してe-oneを発売してました。明らかに、似すぎてましたからね(笑)。
デッドコピーの禁止
デッドコピーとは、要はパクリですね。服飾業界や家具等で多いですよね、この手の事って。法律では販売開始から3年はパクリ禁止と定めています。創造性が必要な業界で創造性を働かせず、他人のデザインを模倣して利益を貪る様な輩を排除出来ればいいのですが…。
技術管理体制の保護
こちらはコピー・プロテクション迂回装置の提供等を禁止している項です。マジコン事件はこれにあたりますね。マジコンとはゲームソフトをコピーしたりコピーソフトを起動させることの出来る機械の事です。こんなのが大量に出回ったらソフトウェアの売り上げが無くなって、開発元が衰退していくだけなんですけどねぇ。大好きなゲームも誰かが開発してくれないと出来なくなっちゃうんですけど…。
正直者が馬鹿を見るような世の中にならない為にも、このような法律が適切に運用されていく事を望みます。