あぁ家電人生

現在は札幌在中のフリーランサー。元家電量販店の店員があなただけにそっと教える内緒話。のつもりでしたが、思ったことを思ったように。家電、サッカー、文房具etc

エアコン・扇風機の事故発生件数 5年間で657件

 しばらくぶりの記事になりますね。またぼちぼちと記事を増やしていければと思います。

 さて、ちょっと前の話になりますが、政府広報・政府インターネットテレビで、エアコン・扇風機の発火事故に関して注意喚起がなされています。

nettv.gov-online.go.jp

www.meti.go.jp

 今更…という気もしますが、発火事故、発煙事故をゼロにするためにも再度確認しておきたいものです。

 

  それでは掻い摘んで解説を入れてみたいと思います。まずはエアコン編です。

 

エアコン・扇風機の事故発生件数 657件

 平成20~24年の5年間で発生した件数で、政府が把握しているのが657件。その内、火災と判断された事故は122件に上るそうです。重大な事故につながる恐れがある事故が、年間100件近くも発生しています。原因は様々でしょうが、間違いなく多すぎると思いますし、防げる事故も多いはずです。それでは事故事例を見てみましょう。

 

エアコン工事の施工時の問題・・・

エアコンの室内機とコンセントが離れている場合に、電源コードをねじり接続して延長して施工されており、その後、ねじり接続部分が異常に熱を持ち、発火事故につながった例。

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もう、当たり前だろ!としか言えませんが、このケースに関して私なりに思う問題点を挙げてみます。

①こういう適当な工事をしてしまう業者を使っている、そして工事内容をチェックしない電器屋の姿勢

 現状、家電の流通は家電量販店がまだ中心となっており、ネット通販が追い上げてきている状況です。持ち回り品はともかく、工事を伴うようなエアコンのような商品はまだまだ家電量販店で購入するユーザーが大半ではないでしょうか。もちろん量販店以外の個人の電気店でもエアコンは売れると思いますが、シェア的には量販店の圧勝だと思います。

 家電量販店でいえば、エアコン工事はほぼ外注でしょう。一部、カメラ系量販で自社工事を行っているところもあるという話を聞いた事がありますが、基本的には元請の業者から地場の電気工事店に依頼する形が多いでしょう。その際に、上記のような雑な施工をする業者をチェックする体制がほとんどの量販店では無いのではないでしょうか。

 もちろん電気工事士の資格の有無くらいは当たり前にチェックするでしょうが、どのような施工をしているか把握している量販店がどれだけあるのか疑問が残ります。

 一般的にどういう工事をしているか確認するとすれば、それは

「問題があった時」

のみではないでしょうか。お客様から何らかの苦情を受けた等で、お客様宅を訪問して初めて見るのではないでしょうか。何の連絡も無いお客様宅のエアコン工事は無事に完了していると思っているでしょうから、将来に禍根を残すような施工をしているかもしれないとは、夢にも思ってないと思います。

 雑な工事をしているかもしれない。だからきっちりチェックしていかなければならない。というリスクマネジメントを持った量販店がスタンダードにならなければこういう問題は解決しないのでは、と思います。ただ、上記のような話は会社レベルではなく店長レベルで十分改善できると思いますが・・・。

 

エアコンの室内機とコンセントが離れている場合に、延長コードをしようするとタコ足配線などと同様に発熱することもある。

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これも・・・当たり前だろ!という話なんですが。そもそもエアコンを専用コンセントで取り付けしないというのが大問題でしょう。エアコン普及率の低い北海道では昔よくあった問題です。エアコンの設置場所に単独の専用回路を設けていないのであれば、回路増設をするのが当たり前です。お客様によっては追加工事料金で揉めるかもしれません。配電盤に空き回路がなければ、配電盤交換が必要になるかも知れません。その場合の工事料金は多大なものになってしまいますが、駄目なものは駄目なんです。無理して施工しても事故が起こる確率は高くないかもしれませんが、事故が起こるかもしれないのであれば、未然に防ぐのが当たり前という考え方が根底にあるべきだと思います。

 

  エアコンは専用回路で使用しないと駄目なんです。以前実際に私が対応した事故を例にお話しますと、

①エアコン用の専用回路がない為、同じ部屋のコンセントから延長コードで電源供給していた。

②毎回ではないが、子ブレーカーがしょっちゅう落ちるようになる。

③子ブレーカーが頻繁に落ちることによって、スイッチが甘くなる

④子ブレーカーが「バカ」になって落ちなければいけないのに、「落ちなくなってしまう。

⑤発煙事故発生。

 

もちろん、ブレーカーが「バカ」になるくらい落ち続けるのは長い時間が必要でしょう。すぐに事故につながる訳ではないのでしょうが、やはり将来事故が起こるかもしれないのであれば、未然に防ぐべきですよね。

 

エアコンクリーニングにおける問題・・・

  今はどこの量販店でもエアコンクリーニングを受けてますし、簡易清掃用のスプレーも売ってますよね。今回問題になっているのは簡易清掃用スプレーの方ですね。

 

洗浄液が部品内部に侵入し基盤がショートして発火する事故が起きている

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 これも、注意喚起が弱いですよね。個人的には家庭でできるエアコン清掃はフィルターを掃除機で吸う程度に抑えておいて、それ以外は専門業者に任せるほうが賢明だと思ってます。専門業者も千差万別、ピンからキリまでありますので、どこがどうとかは言えませんが、万が一の事を考えると、大手家電量販店がいいと思います。どーせ下請けか、メーカーサービスが直接は作業するとは思いますが、

後々何かあっても文句が言いやすい

方が何かと良いのではないでしょうか。